2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

専業主婦イメージは貧困

女性のなかで、専業主婦願望をもつ若い人が増え、専業主婦を支持する人も増えている、という言説を最近見かけることが多くなった。と書き出すと、もうすでにその後には専業主婦への否定的イメージが浮かんでくる。人は大人になると自分の食べる分は自分で働…

異なる声 (5)

少年と少女はひとつの道徳問題にたいして異なる解決方法をとっている。少年は、所有物と命を対立するものとしてその道徳問題のなかに見い出し、この対立項を論理基盤として解決を導き出す。薬屋の薬とハインツの妻の命を比較すると、どう考えても妻の命の方…

異なる声 (4)

今読んでいるキャロル・ギリガンの『もうひとつの声』には興味深い例が使われている(以下、引用は1993年発行の英語版から)。少年と少女がある仮説にどう反応するのかを見、それで男女の違いを浮かび上がらせようとするのが狙いだ。ちなみにこの少年と…

『更年期少女』を読む

表紙が綺麗でドキドキしたので、一呼吸して落ち着いて読んだ。主人公はエミリー、シルビア、ミレーユ、ジゼル、マルグリット、そしてガブリエルの6人。1人を除いては、みんな更年期の日本人女性だ。一同介して会うときは、ひらひらのフリルドレスを着ている…

『更年期少女』

を読もうと思う。著者は真梨幸子、2010年発行の小説である。帯がないので内容が分からない。少女が更年期女性のようにいやに歳をとっている小説なのか、はたまた更年期女性がいまだ少女のような意識をもっているのを描く小説なのか。装画は松苗あけみが…

異なる声 (3)

猛暑日が続いたので海に行ってきた。海に入って涼もうとか、ビーチの散策を楽しもうとかそういうことが目的で行ったわけではない。毎年の恒例で、家族が肌をやきに行くと言うので、それに付いて行ったのである。私は肌をやきたくないし、後でべたべたするし…

異なる声 (2)

「女性的な世界」が「男性的な世界」と一緒に議論されると、2つの世界は競合する位置に置かれることが多いように思う。例えば、「男性的な世界」での発達過程や行動や概念などは価値判断をする際の暗黙の基準や達成目標となっていて、そういう枠組みでは、…

異なる声 (1) 

家族が買っていたので、小倉千加子と斎藤由香(自称サントリーの窓際OL、または躁鬱病作家北杜夫の娘)によるコラボ本『うつ時代を生き抜くには』(フォー・ユー、2010年)を読む。家族(乱読が得意)が、5、6ページくらい読んだところで「おもしろくない…